京都大学大学院理学研究科
京都大学野生動物研究センター

 2023年2月4日、京都大学大学院理学研究科修士課程 1 年の学生(野生動物研究センター所属)が、屋久島でニホンザルの研究調査中に滑落事故により亡くなられました。野生動物研究センターでは関係部局のメンバーで構成される調査委員会を発足させ、事故原因に関する現地調査と情報収集を行いました。事故の原因の1つはニホンザルの追跡中に急峻な場所に入ってしまったことだと推測されます。
 野生動物研究センターでは今回の事故を重く受け止め、「野外調査に関する安全管理のためのガイドライン」の見直しと大幅な改訂を行いました。主な改訂点は以下の通りです。

  1. 安全重視の雰囲気の醸成
  2. 「未然に事故を防ぐ対策」の徹底
  3. 安全教育の見直し
  4. 事故が起きた時の被害を小さくする対策
  5. 危険箇所や危険な状況の明示
  6. きめ細かな調査の指導
  7. 可能な限り複数人での調査の実施
  8. 調査者の位置を知らせる機材の利用

 当該学生がたいへん熱心に調査に取り組んでおられたことは、調査の結果からもうかがい知ることができました。希望に満ちた将来のある若い命が失われたことは、我々にとって痛恨の極みです。今後の研究活動をより安全なものにすべく、不断の努力を続けてまいります。